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地震と津波 [地学]

熊本の地震では現在も余震が続き、有感の地震が4月14日以降1000回を超えたということで、被災地の方は不安な日々を送られていることと思います。この地震では、断層のずれによる直下型 であるため、大きな揺れによる建物の倒壊等の被害が大きかったのが特徴でした。
 一方、東日本大震災では津波の被害で多くの命が奪われました。明治や昭和の三陸津波をはじめ、三陸の沿岸は大昔より多くの津波被害を受けてきました。これらの教訓や、人々の知識がもっとあれば救われた命もあったのではないかと私は思っています。というのは、ニュースの取材VTRなどで「津波は来ないだろうと思って逃げなかった」という証言を多く目にしたからです。地震の時、私は会社にいて被災しましたが、外の集合場所で、スマホで情報を確認したところ、マグニチュード8.4(気象庁の暫定値)となっており、大津波が来る大変だと思っていました。津波警報が発表され最大10mの津波の恐れがあると警告しています。
地震によって停電が発生してテレビでの情報が入ってこない状態だったとおもいますが、ラジオや防災無線等で情報は流されていたはずだし、あれだけ強い揺れが長い時間に及んだのですから、大津波がくると想像できたと思います。昭和三陸津波のころとは違い、気象庁は即座に警報を発表し、報道がそれを伝える仕組みができてます。23万人もの死者がでたスマトラ地震での津波被害もいやというほど映像が流され、津波の怖さもわかっているはずですが、どうして避難行動を取らなかった人がいたのでしょうか。
 一つの原因として、どのくらいの津波が来るかわからないし、きたとしてもたいしたことないだろう。というような考えがあったのではないでしょうか。津波は、通常の波とは違って上昇した海面が押し寄せてくるもので、1mの高さでも木造家屋が倒壊するほどの威力をもっています。ですから、たとえ数十センチの津波であっても津波が及ばない高台へと避難しないと、命の危険にさらされる恐れがあるのです。 
 それでは、地震があった場合、津波が来るか、どのくらいの高さの津波がくるのか、どう考えたらよいのでしょうか。基本的には、気象庁が地震の揺れを解析し、即座に震源とマグニチュードを求め発表し、津波の可能性があるときは注意報(~1m)、警報(1~3m)、大津波警報(3m超)を発表するので、それに従うのがよいです。
 先の地震で、私が大津波を直感したのは、今までの経験で、地震のマグニチュードと津波の有無についてある程度想像することができたからです。今日、仙台管区気象台のHPを見ていたら、「宮城県に影響を及ぼした地震・津波の被害」というページがあり、過去の三陸付近の地震の規模と津波の程度が分かる資料がありました。下の図はその資料から、データを拾ってグラフとしたものです。

tsunami magnitude

 津波の高さについては、地形の影響で高くなる場所もあるので、①、⑦については各地のデータからとびぬけて高い所をはじいて、代表的な値としています。古い地震のものは、歴史資料に残るものなので、正確なものではないでしょうが、これも代表的な値としています。④のチリ地震津波は、地球の裏側から到達したもので、並べて比較すべきではないのかもしれませんが、参考のために載せています。
 このグラフの様に、津波の高さはマグニチュードが大きくなるほど高くなるという傾向があります。マグニチュードが7を超えたら、数十センチの津波の可能性があり警戒が必要で、7.5を越えると建物が倒壊するほどの威力を持った津波の可能性があります。このように考えると、当初発表のM8.4でも相当の被害をもたらす津波が来ると考えられたと思います。
 ※このグラフは、過去のデータから作成した一例であって、地震発生のメカニズムや震源の深さ、地形等により津波の高さは変わってきます。あくまでも参考にとどめて下さい。

 三陸での大きな津波被害は、数十年おきに来るので、被害の悲惨さが風化されてしまいます。でも、現在は情報化社会で、映像も画像も数多く残されています。津波の威力やその怖さを教育によって子供たちに伝え、身を守る行動を取れるようしていかなければならないと感じています。

 
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